福岡で古物を扱うお店を開業する際に、どのような手続きが必要か分からないという話を聞きます。特に取扱う品目(古物の区分)によっては、知識・経験・場所等の要件があります。

今回は、主に福岡でリサイクルショップなどのお店を開業する際に必要な手続きを解説します。

必要な許認可等

リサイクルショップを開業するために必要な主な許認可は「古物商許可」です。

また、あまり知られていませんが、営業を開始する7日前までに「防火対象物使用開始届出」も必要です。

古物商許可

飲食店営業許可は、古物営業のお店を開業する際に警察(公安委員会)から受ける必要のある許可です。

古本屋、リサイクルショップ(古着・中古電化製品・中古家具・中古のゲーム本体やソフトなど)、アンティークショップ(骨董品・アンティーク家具など)、質屋(中古時計・ネックレスなどの貴金属、ブランド品など)、カーショップ(中古車・オートバイなど)、金券等、古物を取扱う店舗であれば必要となる許可です。

主な要件

  • 営業所
    自宅や店舗など、どこかの場所・建物を営業所として定める必要があります。
    ※申請書では「営業所なし」という選択がありますが、許可が受けられません
  • 人的要件(過去一定期間内に古物営業法違反がない事、経営者や店舗責任者の犯罪歴の有無など)

古物営業法の目的

古物商許可は「盗難品等の流通を防ぐ」、「窃盗等の犯罪の防止」、「それらの被害の迅速な回復」を目的した古物営業法に基づいた許可です。そのため、売買の際には相手方の身分確認や帳簿への記帳が義務付けられています。

無許可営業はバレない?

無許可営業はバレないと思われる方が多いと聞きます。しかし、取り扱った品物の中に盗難品や模造品があった場合、後の捜査で追跡され、検挙される可能性が多いにあります。無許可営業の罰則は、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。

「知らなかった」は通じません。安心して営業を行うためにも、ちゃんと許可を受ける事をお勧めします。

防火対象物使用開始届出

防火対象物使用開始届出は、防火対象物である建物(店舗)を使用する際に、必要な届出です。届出は営業開始の7日前までに行う必要があります。また、事務所や店舗で、収容人数が30人以上の場合は、防火管理者を定める必要があります。

主な要件

  • 消火設備の設置(店内構造・広さに合った消火器やスプリンクラーの設置など)
  • 防火管理者講習の受講・選任
    店舗の収容人数が30人以上の場合、乙種防火管理者の講習の受講が必要

注意事項

場合によっては必要となる事項を記載します。

インターネットを利用した売買を行う場合

メルカリ、Yahoo!オークション(ヤフオク)、BASE(ベイス)など、ネットオークションやネットショップを利用して売買する場合は、ホームページ開設後2週間以内に、そのサイトのURLを警察(公安委員会)へ届け出る必要があります。

また、ネットオークションやネットショップは、特定商取引法の「通信販売」に該当しますので、広告に対する規制があります。

詳しくは、下記の記事をご覧ください。

ネット古物商を行う時の手続きと注意点

取扱う品目(古物の区分)によって必要になる事

ブランド品や宝石などを取扱う場合

鑑定士(民間資格)や経験・知識(勤務年数)が求められます。
※盗難品や模造品が出回りやすい品目ため

自動車などを取扱う場合

自動車の保管スペース(敷地の広さ)が求められます。
※仕入れた自動車を置く場所が必要なため

高価な物品を扱う場合

防犯体制が求められる場合もあります。

リサイクルショップ開業の流れ

  • 事前相談
    関係各所(警察など)へ相談
  • 物件(店舗)選定
    ネットショップを利用する場合は、サイトの準備(URL等の取得)
  • 管轄の警察署(公安委員会)へ古物商許可申請
  • 管轄の消防署へ防火対象物使用開始届出
    営業開始の7日前までに届出の必要あり
  • 消防による立入り検査
  • 古物商許可の許可証受取り
  • 開業前準備
    標識(古物商プレート)や古物台帳を準備
    標識(古物商プレート)には、許可を受けた番号を記載する必要があるため、許可を受けた後に準備します
  • 開業

行政書士に依頼するメリット

書類作成・必要書類の収集の負担を軽減

古物商許可の申請は、申請書以外にも必要書類(提出書類)が多くあります。警察署のホームページを見ると必要書類は記載してあるのですが、新規申請以外の事もまとめて書いてあるので、一般の方は何を揃えれば良いのか分からない場合があります。
行政書士に依頼をすれば、申請者様の状況に合わせて必要書類を調査します。申請者様は行政書士から言われた必要書類の収集や誓約書の記入だけ。申請者様の代わりに必要書類の収集を依頼する事もできます。

窓口対応の負担を軽減

警察は申請書を提出した後に「この記載内容はどういう事か?」、「この書類を追加で提出してくれ」等の連絡があります。特にインターネットを利用したショップを開業する場合は、必要書類は足りているのに追加で資料を要求され、一般の方では対応が出来ないような事を要求してくる事もあります(当事務所の経験談です)。
行政書士に依頼をすれば、そのような煩わしい警察対応もお任せできます。

まとめ

古物商許可は、リサイクルショップや、ネット古物商などのネットビジネスをやる上でも必要な許可です。特にインターネットを利用したネット古物商では無許可営業が多くあると聞きますが、無許可営業の罰則は、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。許可を受ける事で、安心して事業を行う事ができます。

当事務所は筑豊地区(飯塚市・直方市・田川市など)の他に、京築地区(行橋市・豊前市など)、北九州地区(黒崎・小倉など)なども対応可能です。
福岡県の古物商許可の許可申請・代行は、当事務所にご相談ください。