前ページ(こちら)では、取り扱う物品が古物に該当する場合と、取引方法が古物営業に該当する場合に、古物商許可が必要であることを説明しました。

このページでは具体的に確認していきます。

古物とは?

「古物」というと「中古品」をイメージする方も多いと思います。
少し難しい話になりますが、どのような物が「古物」となるのか、古物営業法 第2条第1項に定められています。

古物営業法 第二条第1項

この法律において「古物」とは、一度使用された物品(括弧内省略)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

出典:e-Govポータル (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108) より抜粋

古物の定義

定義備考
一度使用された物品みなさんがイメージする中古品がこれに該当します。
使用されない物品で使用のために取引されたもの使用する目的で購入したが、一度も使用されていないもの。

例)ネットオークションで個人が販売している未使用品
※製造メーカーや販売店などから販売目的で仕入れた新品をネットオークションで販売する場合は異なります。
これらの物品に幾分手入れをしたもの上記の2つに、補修や修理を行ったものです。

例)中古パソコンを買い取り後に、初期化して売る

中古品やアンティーク品だけでなく、一度でも製造メーカーや販売店から消費者の手へ渡った未使用品や未開封品も、古物営業法上の古物になります。

つまり、未使用品であっても古物営業法の古物に該当する場合があります。その物品の売買を行う場合は、古物商許可が必要です。

古物営業とは?

古物商というと、質屋やリサイクルショップのようなお店などをイメージされる方もいらっしゃると思います。
どのような取引が「古物営業」に該当するかは、古物営業法 第2条第2項に定められています。

古物営業法 第二条第2項

この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。

  1. 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
  2. 古物市場(括弧内省略)を経営する営業
  3. 古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(括弧内省略)により行う営業(括弧内省略)
出典:e-Govポータル (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108) より抜粋

古物営業の定義

簡単に書くと、下記が「古物営業」に該当する取引です。

  • 古物の売買
  • 古物の交換
  • 委託を受けて古物の売買
  • 委託を受けて古物の交換
  • 古物市場の経営者
  • 古物競りあっせん業者(インターネットオークションのサイト運営者)

「交換」とは?
古物を引き取る代わりに別の物を渡す場合の他に、古物のレンタル・リースも「交換」に該当します。

「委託を受けて」とは?
他人が所有している古物を取り扱う場合も「古物営業」に該当します。
例)売れたら販売手数料を貰うような委託販売など

次は、例を挙げて古物商許可が必要か確認します。

古物商許可が必要か判断

ある程度「古物」と「古物営業」がどういうものか分かったと思います。
そこで、あなたがこれから行おうとすることに、古物商許可が必要か確認します。

古物商許可が必要な取引

内容取引例・備考
古物を買い取り、売るリサイクルショップのオーナー(古物の売買)、古本屋で購入した古本の転売、オークションサイトで消費者から未使用品を購入して転売 など
古物を買い取り、修理して売るパソコンや携帯電話の買取店、古着屋 など
古物を買い取り、解体して部品を売る自動車やバイクのパーツ取りによる販売 など
古物を買い取らずに預かり、売れたら手数料を貰う委託販売における小売店 など
古物を別の物と交換する古本屋での買取の際に、お金の代わりに別の物を渡す など
古物を買い取り、レンタルする中古車でレンタカー業 など
古物を買い取り、輸出する商社

上記のどれか1つでも該当する場合は、古物商許可が必要です。
また、ネットオークションなど、インターネットを利用して売買を行う場合も同様です。

古物商許可が不要な取引

内容取引例・備考
自身の不用品を売るリサイクルショップで売却や、オークションサイトへ出品
販売店から新品を買って売る製造メーカーや販売店から商品を購入し、販売
※買った時は古物でないので、古物の売買に該当しない

ただし、消費者が販売している未使用品を購入・転売する場合は、古物商許可は必要です。
※製造メーカー等から消費者が購入した(一度消費者の手に渡った)時点で、新品であっても古物となるため、古物の売買に該当します
自身が物品を売った相手から、売った物品を買い戻す
無償で手に入れた物を売る
相手から手数料等を取って回収したものを売る古物商許可は、「盗品等の売買の防止」等を目的としています。
盗んだ本人が盗品を誰かに引き取ってもらおうとした時に、わざわざ手数料を払う可能性は少ないと考えられているため。
自身が使うために買う
海外から購入したものを国内で販売する海外で直接購入(仕入れ)して、国内で販売する場合
※国内の輸入業者を介して購入したものは除く

上記のみを行う場合は、古物商許可は不要です。